同人サークル「天泣道化」なんてやってるかもしれない冴夜木ヤトによる、気の向くまま萌えの向くままの、とっても腐女子向けなブログ。
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ぱちぱちと、平家景時への拍手頂けているみたいで嬉しい限りです。
ありがとうございますー!!
不定期な上、一回が短めなSSではありますが、よろしければお暇な時にでもお付き合いくださいませ。
ということで、平家景時でいってみよう!
以下色々捏造なので、詳細は以前の記事(http://tenkyu.side- story.net/Entry/138/)にて確認してくださいませ。
ちなみに好き勝手書いているので、時系列通りに話が展開していないことをご了承くださいませ^^←
今回はゲーム軸、秋の鎌倉(推定w)です。
ありがとうございますー!!
不定期な上、一回が短めなSSではありますが、よろしければお暇な時にでもお付き合いくださいませ。
ということで、平家景時でいってみよう!
以下色々捏造なので、詳細は以前の記事(http://tenkyu.side- story.net/Entry/138/)にて確認してくださいませ。
ちなみに好き勝手書いているので、時系列通りに話が展開していないことをご了承くださいませ^^←
今回はゲーム軸、秋の鎌倉(推定w)です。
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濃い藍がだんだんと薄くなり、灯りがなくとも危なげなく歩ける程になった明け方。
眠っている者を起こさぬよう足音と気配を忍ばせて、疲労した身体を引き摺るように邸へ辿り着いた景時は、自室へ続く渡殿の端から投げ出した足が覗いているのに気付いた。
そこは現在景時の邸に滞在している八葉の為に準備した部屋だ。当然、その足の人物は八葉のうちの誰かだろう。
だが、こんな時間に何故足が?
目の良い景時には、多少薄暗かろうとさして問題なくその足を観察する事が出来た。
恐らく、死んではいない。たまにぴくりと動くのだから、眠っているわけでもないのかもしれない。このような時間に、部屋から足を投げ出していそうな人物を想像して、消去法で脳内に残った人物に、景時はうっすらと眉根を寄せた。
予想が当たりだったら、何も見なかった事にして早く自室に入ってしまおう。
そう言い聞かせて渡殿を静かに歩く。
徐々に近付くにつれ、開け放たれた障子から嫌でも足の持ち主が目に入った。
「...こんな時間に朝帰りか」
「そういう君は、こんな時間までまさか一人で飲み明かしてたのかい」
景時が目を離すより早く、片足を投げ出し、反対の片膝を立てた姿勢で外を見ていた人物が──それは景時の予想と嬉しくない事に合致していた──声と視線を投げかけてきた。
「質問に質問で返すのは良くないぜ、景時?」
「質問だったのかい。見ての通りで否定要素なんてなかったからね。確認であっても、質問だとは思わなかったんだ、ごめんね将臣くん」
にっこりと浮かべた笑みは、嫌味なまでの他人用。
仲間内に見せるのとは違うよそよそしいそれに、将臣は苦味の混じった顔つきで手にした杯の中身を呷ると脇に置いた。
将臣の横には幾つかの酒瓶と、合わせて五つの杯。
もしかしたら他の仲間達と飲んでいたのかもしれない。
「...今日は特別だからな」
景時の視線が杯に注がれているのに気付いたのか、将臣が呟くように零す。
「特別?」
暦の上で何か特別なことはあっただろうか。
思い出すように首を傾げている景時の様子を、将臣はじっと見つめている。見つめたままで、続けた。
「ああ、特別な日さ。四年前からずっと」
「よねん、まえ...?」
「...もう、あの日の五人が全員集まる事はない。それでも、この日だけはこうして飲みたくなるんだよ。感傷だって判ってるけどな」
去年までは、将臣の隣には知盛がいた。
二人で、三つの杯と月を肴に朝が来るまで飲み明かした。
今頃知盛は福原だろう。だから今年は将臣が一人で四つの杯と月を肴にこの日を迎えた。
もしかしたら知盛も福原で同じようにして月を肴に飲んでいるかもしれない。
いや、あの男は一人ならそのような感傷に浸ったりはしないか。
ほんの少し滲んだ自嘲の笑みを、景時は不思議なものを見るような目で見下ろしていた。
やはり、思い出せないのか。
今までにも何度も味わった落胆が、将臣の胸の奥に重石を投げ込む。
座ったまま見上げた景時の姿は、薄い月明かりと明るくなりゆく空に、僅かな逆光をまとっている。
その髪は普段のように緩やかな流れで掻き上げられたものではなく、しっとりと濡れて無造作に下ろされたまま。出かけていった時とは違う直垂と、どこか気怠げな雰囲気を見れば、景時が何処で誰と何をしてきたのかは一目瞭然だった。
髪の長さこそ違うものの、将臣は今までにも何度かそんな景時の姿を見ている。それはもう四年も前の話だが、忘れる事など出来るはずがない。あんなにも幸せそうな二人の姿を。
それなのに、どうして。
一体何があったんだ。
口に出せないそれは、代わりに視線となって景時に向けられる。
そのたびに景時が揺らぐのを知っているから。もしかしてという儚い期待を捨てきれない。
今もやはり、将臣の視線に景時は痛みを堪えるように掌を握り締めて、顔を顰めて目を閉じた。
合わせるように、将臣も思い出す。
それは四年前の優しい記憶。
「俺のいたとこじゃ、生まれてきた日に盛大に祝うんだよ」
「年の初めに皆一様に一つ歳を重ねるんじゃなくて、かい?」
「そうそう、生まれたその日を祝うんだ。誕生おめでとう、生まれてきてくれて有難うってな」
「ほう、それは面白そうだの。それならば、丁度もうすぐ知盛と重衡の生まれた日が来るぞ。将臣殿、その祝いというのはどんな事をするのだ?」
「誕生日か? そうだなあ、親しいもんがプレゼント...ええと贈り物を、誕生日の奴に贈って、その日は仲のいい奴とか家族で、ご馳走とケーキっていう甘い菓子で祝うってのがスタンダードな過ごし方かな」
「すたんだあど??」
「あーっと、標準的なとでも思ってくれ。って、重盛殿、もしかして...」
「折角だ、そのように面白そうなことならやってみねばのう」
「重衡はともかく、知盛が乗るか? あいつ、甘いモンとか好きじゃねぇだろ。っていうか、ケーキなんて作れないし」
「じゃあ代わりに美味い酒と食事を準備しようか。重盛様が仰れば、知盛殿も渋々でも参加なさると思うよ。重盛様も...」
「勿論参加するに決まっておろう?」
「大丈夫なのかよ」
「......」
「...はぁ、判りました。何か方法を考えましょう。けれど、体調が優れぬと判断した時点で重盛様には大人しく療養なさって頂きます。よろしいですね?」
「それでこそ景時じゃ。ふふ、楽しみになってきたの。さて、可愛い弟達に一体どんな贈り物を準備するか...」
「...あれをこうして、ここの手配をして...お二人の予定を確保しておかないと、逃げられたら意味がないから...」
「悪い景時、頑張ってくれ」
「ははは、勿論手伝ってくれるんだろう、将臣くん」
「...げ。」
そうして迎えた当日に、重盛の部屋から障子を開け放して皆で月見をしながら、夜から朝まで飲み明かした。
知盛の誕生日から、日付が変わってそのまま重衡の誕生日と、夜通し続いた五人だけのささやかな宴は、重盛が体調を崩す事もなく無事朝を迎えて。
その日は全員昼過ぎまで起き出してくる事もなく、経正や忠度に呆れられたものだった。
慌しく、殺伐とした日々の中に、断片的に存在する幾つかの優しく楽しい思い出。
重盛が、重衡が、失われ。
そして今、景時は何も覚えておらず。
もう二度と、あの日の五人が集まって同じ時を過ごす事はない。
それでも何かを願うように、忘れぬように、将臣はずっと、この日だけはこうして酒を準備した。知盛も何も言わずに付き合ってくれた。
この日だけは取り戻せぬ時間に、感傷に浸ることを互いに赦し合って。
「...そう、でもオレには関係のない話だから判らないよ、ごめんね」
「...そうか...」
目を開けた景時は、そのまま将臣を見ることなく視線を上げる。
何度目か判らない落胆に、将臣は溜息を零す。
それじゃあ、と歩き出した景時が、ふと足を止めた。
「...?」
「感傷もいいけれど、朝晩は冷え込みも厳しい。体調を崩したら望美ちゃんたちも心配するだろうから、早く休む事だよ」
言い置いて返事も待たずに自室へと姿を消した景時を見送って、将臣は苦い笑みを浮かべて瓶に残っていた酒を全て飲み干す。
「突き放すんなら、完全に突き放してくれたほうがよっぽど...。っくそ、どうすりゃいい? どうすりゃお前は......かげとき...っ」
募る無力感を振り切るように、将臣は強く目を閉じ。
遠くで有明の月だけが、そんな将臣を静かに見つめていた。
>>
...ええと、擦れ違ってる二人です。
というか、ひっそりとこんなんで知盛と重衡誕生日おめでとう...って言ったら怒られそうですねwwwwwwww
しかし、おめでとうということでちょろっとネタに登場させてみた次第です←
なんか、書いてたら何がしたかったのか良く判らなくなってきたというよくある話ですよ! いや、誕生日ネタを盛り込みたかったはずなのに、なんでこんな暗い話に...^q^
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ヤト
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職業:
なんとか人間。
自己紹介:
遙か3の景時と4の風早中心に、腐女子的に萌え萌え言ってる人のブログです。
腐女子以外にはあまり優しくない内容が多くなると思われますので苦手な方はご注意ください。
遙か中心ネオロマ特化SNS「遙紅花街」にも生息中。御存知の方はお気軽にお声掛けてくださいませ^^
なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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