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同人サークル「天泣道化」なんてやってるかもしれない冴夜木ヤトによる、気の向くまま萌えの向くままの、とっても腐女子向けなブログ。 参加イベント情報とか発行物情報とかが載るかもしれない。
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Posted : 2024/05/17 17:54
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Posted : 2011/06/14 01:03
今日も今日とて行き当たりばったりに続きに取り掛かってみます。
書きあがったら早めに布団に潜り込もうかな...明日の仕事は忙しいんだ...っていうか火曜日仕事行きたくない^q^
あの仕事の流れにまだついていけないんだよおおおお!!orz

まあ気分を変えてとりあえず書き出してみよう。


以下、昨日の続きです~。


***


重盛の不在から半月が経とうとしていた。
あの日から景時は今まで同様重盛の屋敷にある自室を拠点にして、用事が出来た時だけ京の中にある自邸に戻る日々を送っている。
重盛が不在の間、急ぎの重要な仕事であれば忠度や経正が代わりに捌く事もあるが、そうでないものは景時が選り分けて重盛の帰還後に改めて処理する事になっていた。
その作業は楽でないものも多かったが、比較的好意を持って接してくれる忠度や経正との話し合いは緊張しても苦ではなく、景時は自邸にいた時よりは落ち着いて勤めることが出来た。
しかしそれと同時に景時を悩ませる問題もまた幾つか浮上しつつあった。



「...もしかして、また?」

経正との話を終えて戻ってきた景時は、梶原の郎党から預かったという包みを渡されて思わず眉を顰めた。

「何か、不都合がおありでしたか?」
「ああ、いやなんでもない。有難う。私は暫く籠もるから、何かあれば声を掛けてくれるかな」
「はっ」

不手際があったかと心配そうな顔をする遣いに、すぐに取り繕った笑みを返して景時は襖を閉めた。
文机の前に座って、包みを開けば案の定中から出てきたのは幾つかの個人的な書状。
中身は見ないでも想像がつく。

「...今までこんなのなかったのに、何で急に...?」

差出人はどれも平家に関わりのある人物からのものだが、景時と親しい付き合いがある訳ではない相手ばかりだ。
その書状の一つを適当に選んで、念のため中を確認する。
そこには予想通り、重盛への取り成しを求めるようなことを匂わす文章。また、別の書状を開けてみれば、娘を嫁にと勧めるような文章がつらつらと飾られた言葉で遠まわしに並べられている。
重盛不在のこの時期に、狙ったように届くこれらの文の意図が量りきれず、景時はここ連日頭を悩ませていた。
最初にこの手の書状が届いたときには、中を見る前に何かの嫌がらせかと疑い、残った気に悪意が読み取れない為中を開いてみて、今度は何の冗談かと目を疑ったものだが、これが続くといい加減どうでもよくなってくる。
丁重に、これまた遠まわしにお断りの文章を書いては送る行為も馬鹿らしく、いっそ無視してしまえばいいかとも思ったが、今後何らかの関わりを持っていく可能性がある以上、重盛が平家を纏めていく時に自分のせいで障害になる可能性を作るわけにもいかない。
結果として良く判らない手紙の対応という、景時にしてみれば面倒な仕事が増えたことになる。
こんな事を相談する相手もおらず、深い溜息ばかりが増える毎日だ。
...実際には、これまでにも重盛を通して「梶原殿にうちの娘を」などという話は出ていた。しかし景時の耳に入る前に重盛が(本人曰く)穏便に断りを入れていたため、それを知る由もないだけの話なのだが、それをしていた張本人が今は此処にいない。勿論、だからこその手紙の増加なのだろう。

「まあ、詳しい事は重盛様が戻って来られたら相談して...」

呟いて、はっと首を振る。
そんな事で忙しい重盛の手を煩わせるなどしたくない。
無事に戻って来た重盛に最初に伝えるのが自分で捌けなかった問題(しかも完全な私事だ)なんていう無様な真似はいただけない。
とにかく丁重に断ろう。
重盛様への取り成しなど自分如きが出来る立場ではないし、嫁をもらうような気持ちの余裕も、その必要性も今は感じない。
梶原の当主として、いずれ世継ぎの事を考えなければいけない時はくるかもしれないが、当主として認められていると言い難い自分が今考えることはそれではないはずだ。
景時はそう言い聞かせて、憂鬱な気持ちは晴れないものの、返事を書くための墨を磨り始めた。




「...はぁ」

何枚も似たような断りの文章を書くことに飽いてきて、文机に頬杖をつく。
墨で着物を汚さないように適当に硯と筆を脇に避けて、横目に映る整えられた庭園の一部に見入る。
この部屋は重盛の部屋にも近いせいか、人の出入りも少なくて気としても調っているほうだと感じる。
それだけに、余計に感じてしまうものがある。
ふとした瞬間に感じる残り香。部屋に置いたものに残った気配。
この部屋にあって、景時でない気を強く残したもの。
それが余計に当人の不在を強く景時に示すのだ。

「親離れ出来ない童でもないだろうに...情けないにも程があるぞオレ」

等と呟いてはみるものの、自邸とは違った意味で重盛のいない屋敷は落ち着かない。
勿論自邸よりも居心地はいいのだが...。

「しっかりしないと、と考えたそばからこれじゃあ...重盛様にだって呆れられるだけなのに」

なんの価値もない人間でも、重盛の足手纏いになることだけはしたくない。
そう思っていることは嘘でも間違いでもないのに、日ごとに募るのは自分でも良く判らない焦燥感ばかりだ。
何かに追いたてられるように与えられた仕事やそれ以外をこなして、けれどふとした瞬間に息苦しさに耐え切れなくなる。
何かを大声で叫んで、どこかへ飛び出して行きたくなる。
──けれど、どこへ?

「それは...」

浮かんだ答えは形になる前に打ち消された。否、打ち消した。
そんな馬鹿な事、考えることすら許されない。
そんな事を望まれてはいないはずだ。
重盛は、残れと言ったのだから。

はふ、と吐き出した溜息ばかりが軽々と風に乗って遠くまで駆けて行く。
その軌跡が見えるわけでもないのに見送って、景時は湧きあがる焦燥をひたすらに押し留めた。






>>続く。


そしてまだ湛快さん出てこない罠www
将臣くるより前、しかもまだ景時が17歳位の頃のイメージの話なので、まあ大概に酷いですwww景時の生い立ち(捏造含む)も含めて、重盛の光源氏計画wもあり、この歳でようやくの依存状態を体験中でもあるので、自立はまだ先というか...ぶっちゃけ平家景時という物語自体が、壮大な景時の成長物語という側面もあるって話で...ってこれ前にどっかにも書いた気がするような?←

そんな感じでまだ女々しい景時が続きますホントサーセン^q^q^q^q^
おかしいな、私かっこいい(男らしい)受けが好きなはずなのに←

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遙か3の景時と4の風早中心に、腐女子的に萌え萌え言ってる人のブログです。
腐女子以外にはあまり優しくない内容が多くなると思われますので苦手な方はご注意ください。

遙か中心ネオロマ特化SNS「遙紅花街」にも生息中。御存知の方はお気軽にお声掛けてくださいませ^^

なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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