同人サークル「天泣道化」なんてやってるかもしれない冴夜木ヤトによる、気の向くまま萌えの向くままの、とっても腐女子向けなブログ。
参加イベント情報とか発行物情報とかが載るかもしれない。
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先日のアンジェ神曲にて、平家景時を布教しよう!という無謀な思いのもと、無料配布のSSペーパーを作ったんですが、小部数だったのとシノさんの営業?で昼前には配布し終えてしまったので(笑)、こちらにアップです~。
ペーパー貰ってくださった皆様、どうもありがとうございました!!
というわけで。
以下色々捏造なので、詳細は以前の記事(http://tenkyu.side- story.net/Entry/138/)にて確認してくださいませ。
ちなみに好き勝手書いているので、時系列通りに話が展開していないことをご了承くださいませ^^←
今回は、将臣と景時の出会い>>http://tenkyu.side-story.net/Entry/138/の更に少し前、本当のファーストコンタクトの部分です。
ペーパー貰ってくださった皆様、どうもありがとうございました!!
というわけで。
以下色々捏造なので、詳細は以前の記事(http://tenkyu.side- story.net/Entry/138/)にて確認してくださいませ。
ちなみに好き勝手書いているので、時系列通りに話が展開していないことをご了承くださいませ^^←
今回は、将臣と景時の出会い>>http://tenkyu.side-story.net/Entry/138/の更に少し前、本当のファーストコンタクトの部分です。
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偶然のようでいて、全ては必然。
複雑に絡み合う意図。縁という糸。
手を伸ばしたのは誰で、掴んだのは誰か。
救われたのは誰で、救ったのは誰か。
答えが出るのは全ての物語が終わる、その時なのだろう。
異変がなければ数日に一度くらいの割合で、重盛の容態やその他伝えなければいけない事項を直接会って清盛に届けるのが景時の仕事の一つでもある。その日も常と同様に清盛の邸に伺い話を済ませた景時は、赤い夕陽の向こうに迫る濃藍の帳が下りる前に重盛の邸へ戻るべく渡殿を歩いていた。
豪奢に整えられた清盛邸の庭は美しく広大だ。至る所に計算されて生い茂らされた木々は、小さな林にも見える。この庭一つで四季全ての花を楽しむ事が出来るように整えたのだといつだったか清盛が話していたのを思い出し、景時はふと足を止めた。
本格的な冬が近付くこの季節には、空も空気もどこか寒々とした色を帯びているのに、この庭だけは鮮やかな花に囲まれてまるで別世界のようだった。
「もうすぐ寒椿も花開く、か」
山茶花が咲き誇る隣で、蕾を膨らませ始めた寒椿が花開く時を待っている。白い色彩の花が多い中、緑の葉を茂らせ、薄紅の花を咲かせる山茶花は一際目を惹いた。山茶花にも白い花をつけるものがあるはずだが、どうしてかこの庭に植えられたのは花弁の縁を薄紅で飾る山茶花ばかり。恐らくは清盛の好みなのだろう。
さやぐ風に山茶花がふわりと揺れる。
悪戯な風に散らされていく花弁を見つめる先で、茂みががさ、と音を立てた。遅れて感じた気配。
伝わってくるのは困惑、混乱、動揺、焦り、そして怒り。
まるで手負いの獣のようなそれに、景時は渡殿から庭へと足を下ろした。同時に、遠くから近付いてくる数人の声に茂みの傍まで歩いて立ち止まる。
「そこでじっとしていなさい」
「……っ!?」
もしも感じた通り、いるのが獣であれば言葉は通じないかもしれないと思いながら小さく発した声に、茂みから動揺が伝わる。言葉が通じるのであれば、潜んでいるのは人である可能性が高い。
景時の言葉に、混乱は収まらないものの、茂みに隠れた人物は言う通りにすることを選んだようだった。動かなくなった気配に一つ頷いたところで、邸の影から警護の人間が数人小走りで出てきた。庭に佇む景時の姿を認めて驚いたように頭を下げるのに、いい、と手を振って。
「慌てているようだが、何かあったのか」
「それが…どうやらどこからか賊が紛れ込んだようでして…」
「賊? ここが清盛公の邸と知っての所業ならば大したものだが」
「そこはまだ定かではありません。捕えて話を聞かぬ事には…。しかし、梶原様はどうしてこのようなところに?」
「清盛様にお会いして、今から帰ろうと思っていたところだったのだが、渡殿から見えたこの山茶花があまりに目を惹いたので間近で見たくなってね」
「そうでございましたか。しかし、どこに賊が潜んでいるかも判りませぬ。梶原様が遅れを取る事などないとは存じておりますが、十分お気をつけ下さい」
「ああ。少なくともこちらには何もいないようだが…私も何かあればすぐに知らせよう」
「ご協力、感謝いたします。それでは我等もこれにてっ」
深く一礼して再び庭を駆けていく兵達を見送って、その姿が完全に消えてから景時は茂みを振り返った。
「どこか、怪我はしているのか?」
「………」
「少なくとも血の匂いはしないようだが、さて、あの者達の言うように清盛公の命を狙っての侵入かな?」
「っ、違うっ、俺だって好きでこんなとこに現れた訳じゃねぇ!」
「…っ!?」
今度はしっかりと噛み付くように返ってきた反応に、問うた景時の方が驚きに声を途切らせた。驚いたのはその内容ではなく、声だ。
その声は、酷く似ていた──景時の主である重盛の声に。
勿論重盛がそのような喋り方をする筈もなく、声自体も重盛より若さを感じる。
「…ではどうして?」
「そんなの、こっちが聞きてぇくらいだっ。急に訳のわかんねぇ急流に投げ込まれたと思ったら、気がついたら見たこともない場所で、あり得ねぇ状況だ。ここが何処かを聞くまでもなく突然曲者扱いされて物騒なモン持った連中に追い掛け回されて…悪夢にも程があるぜ」
「……」
声の主が言っている事の一部は理解し辛いものの、刺客、という線は薄そうだと半ば確信のように思う。気配の消し方一つとってもそうだが、何より現れた時からずっと、殺気や殺意というものを感じられない。言葉を交わしても一番強くぶつけられるのは困惑の感情だ。
「つまり君は、訳が判らないうちに何故かここにいた。ここは君の知らない場所で、どうしてここにいるのか、どうすればいいのかも判らない。その状態で武器を持った者に追われて驚いて逃げ回っていた、ということかな」
「そう! それだよ! なんだ、ちゃんと話の判る人間がいるんじゃねぇか…ちょっとだけ安心したぜ」
心底安心したように大きな溜息が聞こえて、景時は口元を僅かに緩ませた。重盛に似た声が、重盛なら言わないような言葉遣いをするのを聞いているのは珍しくて面白い。勿論、ただ面白がっているわけにはいかないのだが。
「もう一度確認するが、君にこの邸の誰かを害そうという意思はなかった。それは間違いないね?」
「ああ、誓ってもいい」
力強い声が返るのに景時は頷いて。
「よし。それじゃあとりあえずの君の身の安全を私が保証しよう」
「……あんたが?」
「侵入者がいたと邸が騒がしくなってくるのは間違いない。どちらにせよ身の潔白は邸の主の前で立てねばならなくなる。どんな理由があろうと不法侵入してしまったことは事実だろう? そこまでの君の身の安全と、君に害意がない事の証明は、私も手を貸そう」
景時は争いが嫌いだ。失われる命が少ないならそれに越したことはないと思っている。本来ならば、清盛の邸に忍び込んだというだけで切り殺されても文句は言えないのかもしれないが、 侵入する気のなかった侵入者(それもどうやら非常に困惑している事だけは間違いない)まで問答無用に、というのは気が進まない。
こんな時ばかりは、「重盛の懐刀」等と呼ばれる自分の立場を有難く思う。少なくとも景時が援護に回れば清盛も話くらいは聞いてくれるだろう。
「そりゃあ、ありがたいが…なんでそこまで、見たこともない赤の他人に…」
確かに未だ声の主は茂みに隠れて姿を見せず、害意がないことだけで信用してしまう訳にはいかない。だとしても、それが判っていながら景時は笑った。
「誰でも最初は見たこともない赤の他人だろう? 私はこれで案外自分の人を見る目は確かな方だと思っているんだ」
かつて重盛にも言われた事があるからこそ、それには多少自信を持てる。
「少なくとも君の言葉に嘘を感じない。それで十分理由になるだろう。無用な争いは避けたいんだよ」
「………あんた、変な奴だな。いい奴だけど」
「それはどうも。…それで、いい加減姿を見せてくれる気にはなったかな?」
軽い口調を心掛けて問えば、僅かな躊躇いの後、一際大きく茂みが鳴った。山茶花の木の奥、低木の茂みから夕焼けの赤を纏って姿を現した少年の姿に、景時は今度こそ驚きに息を飲んだ。
見たことのない衣に身を包んだ少年のその顔、姿。それは声だけでなく全てが重盛に似ていて。
「そう言えば言い遅れたけど、さっきは庇ってくれたんだろ。有難うな。俺は有川将臣ってんだ。よろしくな、ええと…」
「景時。私は梶原景時と言う。こちらこそよろしく、まさおみ、くん」
逃げ回る間に汚れたのだろう。少し寄れた服のままにかっと笑って手を出した将臣に、景時もまた手を合わせた。
この少年とは長い付き合いになりそうな気がする。
そんな予感を抱きながら。
>>
しかしこの後清盛に気に入られて、将臣は清盛の所で暫く厄介になり、重盛の邸に戻った景時とは暫く会うことがありませんw
景時は将臣の事を気にかけて、情報収集だけは怠っていなかったんですが、将臣と話したりする機会はなく。将臣もあの時助けてくれた景時の事は忘れていないものの自分が世界に馴染む事に一杯一杯で。
次に再会するのが、SS「将臣と景時の出会い」になっている、という流れです。
その再会の後は長い付き合いになるのは間違いないですが、途中色々あって離れたりもしてるからなぁwww
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ヤト
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非公開
職業:
なんとか人間。
自己紹介:
遙か3の景時と4の風早中心に、腐女子的に萌え萌え言ってる人のブログです。
腐女子以外にはあまり優しくない内容が多くなると思われますので苦手な方はご注意ください。
遙か中心ネオロマ特化SNS「遙紅花街」にも生息中。御存知の方はお気軽にお声掛けてくださいませ^^
なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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