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同人サークル「天泣道化」なんてやってるかもしれない冴夜木ヤトによる、気の向くまま萌えの向くままの、とっても腐女子向けなブログ。 参加イベント情報とか発行物情報とかが載るかもしれない。
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Posted : 2025/04/21 10:07
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Posted : 2011/01/13 21:07
今日も寒い...全然温まらない...がくがくぶるぶる。
そういえば今日から外交官黒田以下略が始まりますねー!
とりあえず今日は見られそうだから、それを見て以降見るかどうかを考えようと思ってみたり。

まあ問題は、いつでも番組時間にTVの前にいられるとは限らないってとこですww

と、それまでに小ネタ。
凄い短いSS、というか、シーン抜き出し?

某おっさんコンビに萌えたから、ちょっとそんな感じで妄想しただけですw

平家景時番外編的な感じで。
時間軸としてはまだ将臣がやってくる前です。



******


はぁ、と冷え切った手に息を吹きかける。
ほんの少しだけ温まる掌は、すぐさま冷たい風でより寒さを感じる結果になると判っていても、僅かな暖を得る為に何度も繰り返し息を吹きかけて。
既に悴んだ指先の感覚は曖昧で、赤くなったそれを誤魔化すようにぎゅっと両手を握り締めて景時は寒さで赤くなった頬で白い息を空へ向かって吐き出した。

「...さむ...」

つい先程までは、身体を動かしていたせいか寒さを感じないどころか温かいくらいだったのに、薄っすらと掻いた汗のせいか一気に冷え切った身体を持て余して縮こまる。
久し振りに、身体の空いた重盛が庭で稽古をつけてくれた事が嬉しくて、はしゃぎすぎてしまったかもしれない。
今は此処にはいない、自分の主と定めた男を思い出せば、自然と景時の顔には緩やかな笑みが浮かぶ。
寒いのに、ほっこりと心は温かだ。
とは言え心の温かさだけでは身体の寒さは防げない。
急に強く吹きぬけた北風の冷たさにぶるりと震えたところで、

「なぁにやってんだこんな所で。風邪でも引く気か?」

呆れたような声がして、太い腕が背後からにゅっとのびて景時を引き寄せた。

「っ、わあっ!?」

気配を忍ばせてやってきた相手に、疲れと寒さのせいもあってか、あるいは思考に沈んでいたせいか、気付けないうちに囲われた景時は、頭に当たった胸板に相手が自分より大きい事に気付いて慌てて顔を上げた。
ふわ、と香るのは景時のよく知る誰とも違う香。
そこに僅かに混ざるのは、ほんの少し懐かしさを感じる潮の香り。
健康的に日に焼けた腕、太陽のように明るい髪が視界に入って、景時はほっとしたように、それでいて困惑したように思い当たった相手の名を口にした。

「た、湛快殿っ」
「おぅ、覚えてたか。久し振りだなあ景時。しっかし相変わらず細い上にまあ冷えきっちまって。お前が体調でも崩せば重盛殿が黙っていないだろうに」

ほれ、ちょっと温まれ。
そんな声と共にぎゅうと背後から抱きしめられて、景時は目上相手にどう反応すればいいのかと困った顔で固まっている。

「あ、あの、もう戻ろうとしていた所ではあるのですが、その...湛快殿は、今日はどのようなご用件で...」
「んあ? 俺はちょいとこっちに寄る用事があったんでな。帰る前に重盛殿と酒でもと思って寄ったのよ。そうしたら先にこんな寒い日に庭でぼーっと突っ立ってるお前さんが見えたから見かねてな」
「そ、それはお手数を...」
「なに、いいってことよ。どうせあいつを誘えばお前も来るだろう? どっちが先でも構わんだろう...っと、噂をすれば、だな」
「...っ?」

景時の頭の上に顎を乗せていた湛快が、その顔を動かしたのにつられて景時も同じ方向を見る。
そこには呆れ混じりの苦笑を浮かべた主の姿。

「重盛様っ」
「よう、重盛殿」
「久し振りだの、湛快殿。そろそろそれを離してやってくれ」
「重盛殿が来たんじゃしょうがねえな。ほら景時、あっち行って温まってきな」

とん、と背を押されてたたらを踏むように景時が近付くのを軽く受け止めて、重盛は懐から布に包んだ温石を取り出した。

「部屋を温めてもらうついでに、貰ってきた。寒かっただろう、持っていなさい」
「あ、ありがとうございます...」

重盛の差し出した温石を、嬉しそうな顔で受け取った景時が、そっと懐にそれを仕舞おうとして、気付いたように首を傾げる。

「あの、重盛様の分は...」
「大丈夫じゃ。私にはぬしが一番の温石代わりじゃからの」

言うなり先程までの湛快のように景時を抱きしめる重盛に、抱きしめられた景時は一瞬慌てたものの、その手をおずおずと重盛の直垂の裾に添えた。

「やれやれ、相変わらず見せ付けてくれる程仲が良いのは変わらんな」
「当然じゃ。言っておくがやらんぞ、湛快殿」
「あんたを敵に回す気はねぇよ、重盛殿」

少なくとも、あんたが生きてるうちはな。
そう胸の内で呟いて、湛快は肩を竦めた。

「さ、また景時が凍えないうちに中に入れてくれよ。折角一緒に飲もうと熊野の美味い酒を持ってきたんだ。勿論飲むだろう?」
「それは内から温まりそうだ。では行くとしようか」

微笑む重盛に促されて、景時が先を行く。
それを愛おしそうに見つめる重盛が歩き出すのに合わせて、湛快もまた歩き出したのだった。




>>>>


頂いた某絵から妄想が膨らんで、その勢いで湛快と元気な頃の重盛と、まだ少年くらいの景時が仲良くしてるシーンを妄想しました^q^

ああもうおっさん大好きだーーーー!!!

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なんとか人間。
自己紹介:
遙か3の景時と4の風早中心に、腐女子的に萌え萌え言ってる人のブログです。
腐女子以外にはあまり優しくない内容が多くなると思われますので苦手な方はご注意ください。

遙か中心ネオロマ特化SNS「遙紅花街」にも生息中。御存知の方はお気軽にお声掛けてくださいませ^^

なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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