同人サークル「天泣道化」なんてやってるかもしれない冴夜木ヤトによる、気の向くまま萌えの向くままの、とっても腐女子向けなブログ。
参加イベント情報とか発行物情報とかが載るかもしれない。
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ここ数日晴れが続いていい天気です。
が、大概毎年のパターンからいくと、3月にもう一度は雪が降るんですよねえ。
それ越さないと、タイヤを換えるに換えられない。
太陽光だけなら暑いくらいに感じることもあるけど、風はまだまだ冷たくて、朝晩は寒いですなあ。フロントガラス凍ることもまだまだ多いし。
早く春になればいいなあと思いながら、暗い話を書くわけです^q^
※例によって例の如く、平家景時は捏造かつBLなのでご注意を!
ちなみに前回はこちらから~。
が、大概毎年のパターンからいくと、3月にもう一度は雪が降るんですよねえ。
それ越さないと、タイヤを換えるに換えられない。
太陽光だけなら暑いくらいに感じることもあるけど、風はまだまだ冷たくて、朝晩は寒いですなあ。フロントガラス凍ることもまだまだ多いし。
早く春になればいいなあと思いながら、暗い話を書くわけです^q^
※例によって例の如く、平家景時は捏造かつBLなのでご注意を!
ちなみに前回はこちらから~。
*******
新しい布団に着替えて横になった景時が、申し訳なさそうに弁慶を見上げた。
それに微笑みだけ返して瞼の上に手を当てる。
「いいから、少し休んでいなさい」
「べんけい...まさおみ、くん、は...?」
「彼なら洗濯中ですよ」
「そう。.......」
洗っているのは間違いなく、たった今景時が汚してしまった布団や衣だろう。
余分な仕事を増やしてしまったと、自分を責めた所で起きたことは変えられない。
景時がろくに食事を摂っていなかったことも、もう悟られてしまっているだろう。
お前は悪くない。
そんな優しい言葉と一緒に浮かんだ泣きそうな将臣の表情は、簡単に脳裏から消えてくれずに景時を責める。
黙り込んでしまった景時の瞼の上からそっと手をずらしても、その目は閉じたままで。
「後で、薬湯を作り直して持ってきます。それまでそのまま寝ているんですよ」
言葉に小さく頷いた姿を確認して、弁慶は立ち上がると部屋を後にする。
換気のため半蔀を僅かに開けてあるが、この気温なら暫くの間風を浴びても悪くは働かないだろうと判断し、それとなく景時に気を配るよう邸の者に頼んでそのまま足を庭へと向けた。
表からは見えない、庭の奥まった所に作られた洗濯場。
そこに近付けば、見慣れた後姿が盥を前に格闘しているのが弁慶の目に映った。
「将臣君」
「...弁慶か。サンキュな、部屋、いいようにしてくれたんだろ」
「換えの衣や寝具を用意したのは僕ではなく、景時の母君や朔殿ですよ。僕はただそれを運んで景時を着替えさせただけです」
「でも、サンキュ」
振り返った将臣は、ひどく情けない顔だった。
溜息を堪えて将臣のすぐ傍まで近付き、片膝をついてその顔を見据える。
「君が動揺しているのは判ります。けれど、しっかりなさい。今、景時をこちらに繋ぎ止めているのは間違いなく君です。その君が揺らげばどうなるか、判るでしょう?」
「...っ、悪ぃ...」
冷たい水を張った盥の中で、景時の衣を握り締めて将臣は俯いた。
「景時を助ける気持ちは揺らがない。けど...まだまだ、甘く見てた。景時の心があんなにも...、身体にも影響を及ぼすほど死を望んでるなんて、信じたくなかったんだ。それを見せ付けられて、こんなに動揺するなんて、情けねえ」
景時さ。
俺が一緒にいたから余計にだろうけど、ちゃんと食べようとしてくれたんだ。
その顔が、どんどん余裕なくなってくのも、様子がおかしくなってくのも、見てたのに、俺は止めてやれなかった。
食べなきゃ景時が死んじまう。
でも、食べても景時はああして余計に苦しむ。吐いて、体力消耗して、結局。
それならどうすればいい?
食べなくてもいい、なんて言えねえ。
だけど、あんな姿見たら食べろとも言えねえ。
どうしたら、景時の苦しみを和らげてやれるのか、全然判らない。
ぽつぽつと落とされる言葉は、何も出来ない己への怒りや悔しさだ。
弁慶はただそれを静かに聞いていた。
「荼吉尼天を倒して、そうしたら全部終わりだと思ってたんだぜ、最初は。景時は得全部思い出して、俺達のとこへ帰ってきてくれるんだ、そしたら全部上手くいくんだって、バカみたいに信じてた」
「けれど、現実はそう優しくはなかった。奴にも、君にも、僕達にも」
「ああ。そうさ、現実なんて優しいもんじゃない。そんなのは何年も前に判ってたはずなのに、それでも俺はまだ信じてたんだ。いや、願ってた。いつかは──って」
それが現実逃避だってことも、判ってたのに。
「確かに、甘い考えかもしれません。ですが、夢がなければ、生きていくのはただ辛いばかりです。君のそれが間違っているわけではない。そしてそれを叶えられる可能性も、ゼロではない。君はそれも判っているはずですよ」
「...」
のろのろと顔を上げ、その先に真摯な表情をした弁慶を見つけて将臣はようやく不器用でも笑みを浮かべてみせた。
「サンキュ、弁慶。あんたにそこまで言わせて、出来ないなんて言えねえな」
「全くです。こういうのは僕の役目ではないのですから」
「ははっ、そう言うなよ。説法は坊さんの得意分野だろ」
「九郎に言わせれば、僕は荒事向きの筈なんですが」
かつては荒法師と呼ばれる程やんちゃをした時期もあったのだ。
そんな自分が気取って説法などというのは向いていないと弁慶は思っている。
神をも恐れぬ所業を──罪を、犯した身が、法を説くなど滑稽なものだ。
「ですがまあ、たまには自分が僧である事を思い出してもいいとは思っていますよ」
それで、誰かを、何かを。
いや、気に入った友を助ける一押しが出来るのなら。
微笑む弁慶に、将臣は少し眉根を寄せて考えるような素振りを見せたあと、力強く頷いてみせた。
「......弁慶、そのついでにもう一つ、頼まれてくれるか」
「僕が手を貸せる事でしたら」
「ああ。むしろ、こういうのはあんたに頼むのが一番だと思うからな」
「では聞きましょう」
「一つ、思いついたんだ。あのな──」
将臣の語る思いつきを聞く内に、弁慶の表情が難しいものになっていく。
それでも将臣の案を最後まで聞き、頷いた。
「確かに、君の言う方法は効果があるかもしれません。そう何度も行わずとも、景時がそれで「食べる」という行為を己に許す事が出来るようになるなら、後は自然と食べられるようになるでしょう」
「なら...」
「ですが」
弁慶は改めて将臣を見据えた。
「その方法を取ることを、君は許せるのですか?」
「......ああ」
「...そう、ですか」
「それで景時が元気になるんなら。少しでも苦しみを軽減できるんなら、俺にはそっちの方が重要な事さ。俺一人納得すりゃ済む話なんだ、手軽なもんじゃねえか」
覚悟を宿した瞳は、それでも尚景時という男を心から愛しているからこその選択なのだろう。
将臣が納得しているのなら、それ以上を弁慶が口出しする事ではない。
「判りました。いつから始めますか」
「景時の体調を考えれば、あんまり時間をかけてもいられねえ。可能なら今夜からでも」
「そうですね。それがいいでしょう。必要な物は準備しておきます」
「ああ、頼んだぜ弁慶」
「夜毎魘されるよりは、奴にとってもよい夢になればいいのですが、ね...」
やはり弁慶にも、景時の声は届いていたのだろう。
将臣はそうだなと小さく笑って立ち上がった。
「じゃあ、早いうちに譲に頼みに行ってくる。これ、このまんまにしといてくれ、戻ったら続きするから」
「急がなくても大丈夫ですよ。帰ってくるまで僕が見ていましょう」
弁慶の言葉に一つ手を振って、将臣が足早に邸へと戻っていく。
それを見送って、さて戻ってくるまで少しばかり手伝ってやるかと腕を捲ったところに、知った気配が近付いてくるのに気付いた。
「弁慶殿」
「...何かありましたか、朔殿」
簀子から降りて近付いてくる少女に、弁慶はいつものような笑みを見せる。
それに微笑み返した朔は、そのまま弁慶の横、盥の前に膝をついた。
「そこで将臣殿と会いまして。洗濯中だと言うので交代を申し出たんです。少しでも、兄の傍に居た方が、お互いにいいかと思って...」
「成程、君は優しい人ですね」
「そんな、大したことじゃありません。私は兄上の身内なのに、何も出来ないから...せめて出来る事をしたいだけだもの」
俯いて寂しそうに笑う少女に、弁慶は安心させるように、優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ。君の想いは景時に伝わっています。奴が戻ってこれるまで、もう暫くは掛かるでしょうが...君達の想いが、奴の回復の力にもなります。それに、主不在のようなこの邸を支えているのは、君や母君の力です。景時が安全に過ごせる場所を守っているのは君なのだと、自信を持ってください」
「弁慶殿...有難う御座います。ふふ、本当に、いつも弁慶殿には助けられてばかりな気がするわ」
「僕は僕に出来る事をしているだけ、ですよ」
微笑む朔に、触れないまま弁慶は笑う。
触れる資格などないのは、己が一番判っている。
「弁慶殿も用事があるのではないの? ここは私がしておきますから」
「いいえ、君のその手を一人冷たい水に晒させる事など出来ません。急ぐ用等ありませんから、僕も手伝いましょう。二人ならば早く終わるでしょう」
「まあ。いつもながらお上手ね」
笑いながら盥に手をつける朔の隣で、同じように洗濯を手伝いながら、弁慶は外套に隠れた口元に歪んだ笑みを浮かべた。
将臣くん。
君は凄い。
愛する人の為に、自らを抑えられる君は、本当に景時を愛しているのでしょう。
たとえその愛が自らに向けられなくとも、愛を貫けるほどに、純粋なのでしょう。
僕には、到底真似出来ない。
黒龍消滅の真相を知った時──朔殿、君はそれでも僕に笑いかけてくれるだろうか。
奪ってでも、不幸にしてでも、唯一人を、と望む想い。
どれほど独善的であろうとも、僕にはそんな愛し方しかできない。
それはまるで、鎌倉殿のように。
「まったく、我ながら厄介ですね」
呟いた声は音になる前に飲み込まれた。
>>続く
最後、ちょっと弁朔要素入りました^q^
平家景時は裏CPとして弁朔を推奨しております^^^^^^^
なんかもう、次で終わるとか後二回で終わりたいとか言わない方がいい気がしてきた...。
でも今度こそ、後二回のうちには終わると思うんだ...っ←←
くそう、長くなればいいってもんじゃないのに...!
という訳で、申し訳ありませんがここまで付いてきて下さってる方がいらっしゃいましたらもうちょっとお付き合いいただければ幸いですorz
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非公開
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なんとか人間。
自己紹介:
遙か3の景時と4の風早中心に、腐女子的に萌え萌え言ってる人のブログです。
腐女子以外にはあまり優しくない内容が多くなると思われますので苦手な方はご注意ください。
遙か中心ネオロマ特化SNS「遙紅花街」にも生息中。御存知の方はお気軽にお声掛けてくださいませ^^
なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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