同人サークル「天泣道化」なんてやってるかもしれない冴夜木ヤトによる、気の向くまま萌えの向くままの、とっても腐女子向けなブログ。
参加イベント情報とか発行物情報とかが載るかもしれない。
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実はほとんど進んでない部分で意欲が低下して放置されてるオリジナルが今までに色々あるんですが、まあ折角書いたので勿体無い根性で、ちょろっとアップしてみたりしてみるわけです^q^
こういう、設定を考えてる時が一番楽しい。
未完とは言え、万が一にも無断流用とかは(ないとは思いますけど)ナシの方向でお願いしますねwww
そのうち、他の色んなのもさわりだけでもアップして保存しとこうかな~。
なんせ学生時代に書いてたヤツなんてノートだしなw
見返したら羞恥で死ねるのも多々あるのが問題れす。
ちらっとでも見てやっか~って奇特な方は続きへどうぞ^^
こういう、設定を考えてる時が一番楽しい。
未完とは言え、万が一にも無断流用とかは(ないとは思いますけど)ナシの方向でお願いしますねwww
そのうち、他の色んなのもさわりだけでもアップして保存しとこうかな~。
なんせ学生時代に書いてたヤツなんてノートだしなw
見返したら羞恥で死ねるのも多々あるのが問題れす。
ちらっとでも見てやっか~って奇特な方は続きへどうぞ^^
【コトダマツカイ】
序章.
差し伸べられた手を取った時、世界が色を変えた。
貴方は、私の新世界だった。
建物の中を、脇目も振らずに駆け抜けていく姿があった。擦れ違う人々は珍しい光景に目を瞬かせ、何事かと首を傾げる。走る姿はぴりりと緊張感を感じさせ、言葉を掛けるには躊躇われた。それでも擦れ違う幾人かは好奇心に駆られて口を開く。
「ハクヒ、どうしたんだ」
「お前が慌ててるなんて珍しいじゃないか」
ハクヒ、と呼ばれても走る青年は応えることも振り返ることもしない。僅かに息を乱しながら一心にどこかを目指しているようだった。
淡いクリームイエローで統一された内装は、白より遥かに温かみを感じさせるはずなのに、走るハクヒの心は混沌として不安に満ちていた。温かみよりも、冷気が足の先から忍び寄って心まで冷やしていく。それはハクヒが抱える恐ろしい予感そのものだったのかもしれない。
ここが単なる医療施設だったなら。あの時、この目にその傷口が見えたなら。
ハクヒはきっとここまで動揺しなかった。
目に見える傷なら幾らでも治せる。失った血は補う事が出来る。痛いと喚かれたら「お前の不手際だ」と笑ってやれただろう。なのに、あの時聞いた崩壊の音はそんな易しいものではなく。
ハクヒは知らせを受けて走るしかなかった。この、連盟府の施設棟の中を。
ノックするのももどかしく、走ってきた勢いのまま扉を開けた。病室のように整えられた部屋の中央、べッドに横たわる人の姿。ハクヒの、パートナーの姿だ。
「………ッ」
その名前を呼ぼうとしたのに、声は掠れて音にならず。
「ハクヒ、来たか…。いいタイミングだったのかもしれんな」
代わりにベッドの傍に立っていた白衣の女性が振り向いた。
「女史、コイツの具合は…」
「お前が来る少し前に鎮静剤を投与した。暫くは目を覚まさんだろう」
「鎮静剤…? どこか、身体にも影響があったのかッ!?」
詰め寄るハクヒに女性は眉を顰めて首を振る。
「そうじゃない。だから安心しろ、とは言えんが。体にはなんら異常は認められなかったよ」
──体には。
その言葉が示すのは、ハクヒの最も恐れる予感が現実である可能性だ。
「体に支障がないのに、鎮静しなきゃならないほど取り乱す…? じゃあ、それは…」
言いたくない。その思いがハクヒの声を震わせ、言葉を途切れさせる。
視線で女性に問う。頷いてくれるなと、認めてくれるなと、切実なまでの祈りを乗せたそれは、けれど予想以上の残酷さで裏切られる。
「ああ、彼の言霊は失われた。恐らく、二度と戻る事はない」
二度と戻らない。
その言葉が鋭くハクヒに突き刺さり、呼吸を忘れさせた。
ベッドに眠るパートナー。その憔悴しきった涙の残る顔がハクヒを責め立てる。
「上層部には既に連絡がいっている。…彼は、本日付で言霊使としての任を解かれ、言霊遣いではなくなった。ハクヒ、お前とのパートナーも解消だ。次の任務については上層部から連絡があるまで施設内での待機となる」
女性の言葉の半分も、ハクヒの耳には入っていなかった。喘ぐように呼吸を紡ぎ、乾いた唇を動かす。
──こいつは、どうなる?
言葉になったのかも判らないそれを、女性は確かに聞き取ったようだった。
「言霊遣いでなくなったからといって、無責任に放り出すようなことはない。此処には居られなくなるが、今後についての保障は心配する必要はない。一般人として生活出来る様最大限の配慮が取られる。…ただ、ハクヒ。お前は暫く会わないほうがいいだろう」
「…ッ」
「お前のせいでないことは、当人が一番理解っているはずだ。だが、感情はそう簡単についてこれるものでもない。気持ちの整理がつくまでは、そっとしておいてやれ。…お前にも休息は必要だ」
判ったら、もう戻れ。そっけない言い方の中に、気遣いが込められているのは判った。このまま此処にいても、何も出来ないどころか追い詰めてしまうだけだろう。
のろのろと頷き、拳を握り締めたまま踵を返したハクヒの背中に女性の声が掛かる。
「いいか、ハクヒ。これだけは間違えるな。お前は──お前たちは、成すべき事をした。お前の行動は間違っちゃいない。お前は、パートナーを助けたんだ。その結果がこれだとしても、だ。お前だから助けられた…それを忘れるな」
優しくも虚しい慰めの言葉を背に、ハクヒは部屋を出た。
それが、ハクヒの最初のパートナーとの別れ。
言解士としての自分を呪った、初めての、そして忘れられない出来事だった。
>>
言霊遣い→コトダマツカイ。言霊使、言解士、言騙師を含む総称
言霊使→コトダマシ
言解士→コトトキシ
言騙師→コトダマシ(蔑称
似たような言葉が沢山出てきて不親切ですねwww
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職業:
なんとか人間。
自己紹介:
遙か3の景時と4の風早中心に、腐女子的に萌え萌え言ってる人のブログです。
腐女子以外にはあまり優しくない内容が多くなると思われますので苦手な方はご注意ください。
遙か中心ネオロマ特化SNS「遙紅花街」にも生息中。御存知の方はお気軽にお声掛けてくださいませ^^
なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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