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同人サークル「天泣道化」なんてやってるかもしれない冴夜木ヤトによる、気の向くまま萌えの向くままの、とっても腐女子向けなブログ。 参加イベント情報とか発行物情報とかが載るかもしれない。
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Posted : 2025/04/21 06:53
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Posted : 2010/06/16 22:57
どうにもテンションが冷めるどころか上がりっぱなしなのは、妄想が妄想を呼んで美味しい展開が脳内作成されていくのが原因だと思います。
萌えやネタを共有できるって素晴らしいっっ(感涙)

そんなわけで、今日も今日とて好き勝手書き散らかしです。

色々捏造なので、詳細は以前の記事(http://tenkyu.side-story.net/Entry/138/)にて確認してくださいませ。



******



早朝、飯炊きの音に混じるようにして庭の隅から響くのは、空を切る素振りの音。
それが百を数えた所で、将臣は一旦手を止めた。
単調な動作といえど、繰り返せば身体は疲労を感じる。上がった体温に、いまだ冷たさを含む春風が心地好かった。
冷たい空気を胸いっぱいに吸い込み、息を整える。
それを見計らったように、傍らに佇んで静かに素振りを見守っていた影が動いた。

「お疲れ様、じゃあ次は打ち込みの型をやってみようか」
「おう、よろしくな、景時」

元気よく返ってきた言葉に、近付いた景時がほんの少しだけ微笑う。

「若いと回復も早いものだね。これじゃあ練習をつけるといいながら私の方がすぐに限界を訴える事になってしまうかな」
「何言ってんだよ、アンタだってまだ十分若いくせに」
「それでも君には敵わないよ。もともと武芸はあんまり得意という訳でもないからね」
「おいおい、今から教えようってのに、それで大丈夫かあ?」

担いだ木刀でとんとんと肩を叩いて笑う将臣に、景時もまた手にした木刀の感触を確かめるように一撫でしてやんわりと微笑み、向き合うように立ち位置を変える。
今日ばかりは普段のような直衣や狩衣姿ではなく、珍しくも直垂姿だ。
文官風の姿をする景時ばかり見ていたが、こうして武官らしい姿をした景時も、柔らかさの中に凛々しさが見えてなかなか様になっている。

「武芸は得意ではないけれどね、あの方の動きを君に教えることについては誰よりも自信があるよ。伊達にずっとあの方の傍付きをしていた訳じゃないからね」

それに、と手にした木刀を流れるような動作で構えてみせた景時が、小首を傾げる様に将臣を悪戯めいた瞳で見上げる。

「何より私自身が、かつてはあの方に武芸を教えて頂いた事がある身。君に教えるにはこれ以上ない適材と思いたいものだね」
「...なるほどな。そんじゃまあ、お手柔らかに頼むぜ」
「安心してくれて構わない、君に怪我はさせないよ。それじゃあまずは教えた型を使って打ち込んでみてくれるかな」
「えれぇ自信じゃん」

相手はこの時代の人間。しかも好きでないと言っても武門の出だ。剣と言えば授業の剣道くらいしか体験したことのない将臣とはレベルが違うと判っていても、穏やかな風貌の景時にこうも自信ありげに言われれば、プライドが刺激される。
実際、剣などからっきしと言っていい将臣の目から見ても、目前で構える景時の動作は気負いがなく、打ち込む隙のようなものを感じられない。
だが、それが返って将臣の負けん気まで擽るのだ。
一本とってあっと驚かせてやりたい、と。

「なら遠慮なく、行くぜっ!」

言葉と共に走りこんだ将臣が木刀を振り下ろす。
当然のように自然な動作で受け止められて、

「肩に余計な力が入ってるよ。それに握りが甘い」

文字通り一刀の下にあしらわれる。
引かずに、弾かれたそこから再び剣筋を変えてもう一撃。
それもやはり軽く止められた。

「ただ打ち込めばいいってものじゃない、君がこれから扱うことになる刀を脳裏で想像しながら動きを覚えるんだ。ほら、上にばかり気を取られると足が弱いよ。重心を意識しなさい」
「─ぅおっ!?」

言葉と共に、将臣の木刀をあしらった景時のそれが、足元を狙って振るわれる。
避けようとして、バランスを崩して危なっかしい足取りで後ろへ下がった将臣が、追撃を予想して慌てて木刀を構え直す。
しかし、予想した追撃はなく、景時は同じ位置に立ったままだ。

「気を抜かずに次を警戒できたのはまずまず、かな。いいかい将臣くん、闇雲に攻めるのでなく、一つ一つの型を確実に実行できるようにするんだ。頭で覚えるんじゃなく、身体が反応して動くようにならないと、付け焼刃じゃあすぐに気付かれてしまうよ」

出来の良い生徒を誉め、また指導するような口調で、穏やかにも指摘は忘れない。
最初に構えた時と同じ姿勢ですらりと立つ姿の、どこが武芸が苦手だというのか。
穏やかな物腰と外見に騙されがちだが、景時もまた十分に武士なのだと再確認させられた気がして、将臣の中にあった軽い気持ちが抜ける。
プライドがどうとか、あっと驚かせたいとか、そんなのはもっとずっと先の話だ。
まずは景時と太刀を交えるのに相応しいだけの基礎を身につけなければ、将臣の刃は景時まで届かない。将臣の言葉は景時に響かない。

腰を僅かに落とし、目つきに真剣味を増した将臣の姿に、景時は内心で感心した。
将臣には武士としての素質が十分にある。
覚えも良く、素直で吸収が早い。
これなら、そう経たないうちに使い物になるところまで上達するだろう。

(勿論、この子を本当に戦わせるつもりはないが...)

それでも、身を守る術を持っていることは、この世界では無意味ではないはずだった。
誰かを守りたいなら、まず自分の身を守れるだけの力がなければどうしようもない。
将臣の捜している幼馴染や弟を見つけた時、将臣は兄として、男として、守る立場にならざるを得ない。それは恐らく長男という境遇の身に染み付いたものなのだろう。
重盛が、そうであるように。

(この子が傷つくことのないよう、私もまた精進しないとな)

戦が嫌いだとは言っていられない。
時間は待ってはくれず、争いの足音はすぐそこまで近付いてきているのだから。

「っしゃ、もう一度いくぜ景時っ」
「ああ、おいで」

掛け声と共に駆け込んでくる将臣に対峙しながら、景時は重盛のほかにもう一人、新たに増えた守るべき者を心に刻んでその木刀を受け止めた。



>>


というわけで、景時による、即席重盛様養成講座ですwwwwwww
当然例によって例の如く、打ち合いについて話してることは嘘八百の適当並べ立てなので、信用するかたはいらっしゃらないと思いますが、信じないでくださいね^q^
間違ってても責任取れません←

もう戦場には立てない重盛様の代わりに、重盛の振りをさせた将臣を掲げることで、平家の士気を盛り上げようという作戦、でもあり、平家が逃げ延びる手段を講じるまでの時間稼ぎ、でもある。
重盛と景時の中では、共通してこのままでは平家はもうダメだろう、という思いはある訳で、そこに源氏の台頭があって、時代の流れが源氏に向いてるのも感じてる。
そこでいかにして平家を存続させていくか、というところが既に二人の脳内プランだと思っています。
清盛は頑なに平家の世が続くと信じているんだろうけどね。

妄想って本当に楽しいですね^q^

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ヤト
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なんとか人間。
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遙か3の景時と4の風早中心に、腐女子的に萌え萌え言ってる人のブログです。
腐女子以外にはあまり優しくない内容が多くなると思われますので苦手な方はご注意ください。

遙か中心ネオロマ特化SNS「遙紅花街」にも生息中。御存知の方はお気軽にお声掛けてくださいませ^^

なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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