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同人サークル「天泣道化」なんてやってるかもしれない冴夜木ヤトによる、気の向くまま萌えの向くままの、とっても腐女子向けなブログ。 参加イベント情報とか発行物情報とかが載るかもしれない。
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Posted : 2025/04/21 10:04
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Posted : 2010/06/24 20:18
やばい、すっごい眠いうえ、PCの動きが悪いせいで動作を待ってる間に何度もかくんてなってるwwww
今の私はのびたくん並ですよw

今日こそ終わらせたいのでちゃちゃっと頑張ってみるなり。
そして寝るなり。

以下、色々捏造なので、詳細は以前の記事(http://tenkyu.side- story.net/Entry/138/)にて確認してください。

ちなみに好き勝手書いているので、時系列通りに話が展開していないことをご了承くださいませ^^←
なお、タイトルに(3)とあるように、今回は前回の話から続いておりますのでご了承ください。
今日こそ終わりますように!


******


景時に続いて重衡、知盛が幔幕を出、最後に将臣が足を踏み出す。
見渡せる平地一面に広がるのは数百人の平家の兵士達。
そうは見られない光景に息を呑む将臣の背を、さり気なく重衡が叩いた。
飲まれそうになるのを堪えて、軽く頷いて集まった兵士達を見渡す。
そんな将臣らに気付いたのだろう。兵士達の間に満ちていたざわめきが次第に小さくなり、その視線が、景時、重衡らを通過し、将臣の上で止まる。
次に起きたざわめきは、驚きと喜びが混じったものだった。

「──静まれ」

将臣の斜め前に立って、すっと手を上げた景時の動作、そして響いた声に喧騒が止む。

「此度の戦、我等の負けはない。平氏のため、病を克服して戻って来られた重盛様の前で無様な戦いを見せる軟弱者など平氏には居らぬ。そうだな、皆の者!」

景時の声に、四方から凄まじい歓声が上がり、拳が、弓が、刀が振り上げられる。
兵士達の目に浮かぶのは、重盛への期待と信頼。
そのあまりの重さによろめきそうになる。

「重盛様」

景時が目配せする。
短くていい、重盛として一言、戦いに赴く者に声を掛けて欲しい。
事前にそう言われていたのを思い出し、将臣はゆっくりと頷くと、頭の中に重盛を思い浮かべて口を開いた。

「待たせてしもうたな。これからはこの重盛もまた戦列に加わろう。皆、背後は気にせず存分に武を揮うてくれ。そなたらの帰る場所を源氏なぞに奪わせはせん。さあ、共に参ろうぞ!」

先程よりも大きな歓声が、地を、空を揺るがして広がっていく。
重盛様、と叫ぶ声がそこかしこで歓声に混じって聞こえてくる。
それらをどうにか受け止めて、ちらりと視線を景時に送れば、気付いた景時が出来を誉めるように僅かに微笑んで頷いた。
ほっと肩の荷を下ろそうとしたのも束の間。

「きたぞ、源氏の兵だ!!」

物見の声に、一気に場の空気が引き締まった。

「各々持ち場につけ。重盛様の策の下、我等に負けはない!」
「「「「我等に負けはない!!」」」」

景時の号令の下、統率の取れた動きで散らばっていく兵達を見送って将臣は湿った掌を握り締めた。
いよいよ始まる。いや、もう始まっているのだ。
遠い世界の出来事でも、夢の中の出来事でもない。
目の前で始まる全てが現実で、これから沢山の人が死に、傷つく。
ここはそういう場所なのだ。
そこに、己は立っているのだ。




遠くで上がった鬨の声。
遙か後方に並んだ敵の弓隊が一斉に放った矢が、攻めていく平氏軍の上に降り注ごうとする。
同様に、平氏軍からも矢が雨のように敵へ向けて降り注がれる。
遮るもののない場所で、目を背けることも出来ずに舞い散る血を、倒れる人間だったものを、沢山の叫びを、刀同士の打ち合う鈍い音を、その全てを感じる。
そこにあるのは生々しい生をかけた争い。
それら全てが、将臣の精神を圧倒するには十分すぎた。

地面に立ち、身体を支えているはずの足の感覚がわからなくなる。
喉はからからで、けれど冷や汗なのかなんなのか判らない汗が全身を伝っている感覚。
無意識の怯えが、恐れが、将臣の身体を震わせ、今にも膝をつかせようと襲い掛かってくる。
倒れてしまう。
そう思った将臣をすくい上げたのは、場にそぐわぬほど優しく穏やかな──静かな声。

「大丈夫だよ」
「っ、...か、げとき...?」

まだ前線に出ずに傍に居た景時が、穏やかに微笑み将臣の震える手に触れた。

「君のところに敵は一兵たりとも近づけない。君はただそこにいるだけでいい」

大丈夫、ともう一度囁くように落とされた声。
優しく撫でられた手の甲の感触に、吸い取られた様に震えが止まった。

「知盛殿、重衡殿、こちらを頼みます」
「御武運を、景時殿」
「クッ、俺の楽しみをくれてやるんだ...存分に、宴を楽しんでこいよ、景時」

銀髪兄弟の言葉に目礼だけで応えて、景時は傍に控えさせていた立派な黒駒に飛び乗った。

「では──」
「っあ、景時!」

漸く我に返ったように声を出した将臣に、小さく笑って。
すぐさま真剣な表情になった景時は馬を駆り、混沌とした戦場へと飛び込んでいった。


景時の動きは、遠目に見て判るほどに素晴らしかった。
鮮やかな緑の髪がたなびいて、あっという間にどんどん敵陣へと食い込んでいく。
不思議と弓矢を寄せ付けない姿に目を奪われて身を乗り出した将臣を、重衡が嗜める。

「あまり前に出てはなりません、重盛兄上。弓の標的にされてしまいます」
「あ、ああ...」
「目を奪われもするだろうさ。あれの動きはまるで舞。見蕩れればその先にあるのは死、だがな...」
「人の命を奪う行為に、こんな事言うのは間違ってるのかもしれねぇ...でも...」

綺麗だ。
将臣はそう呟いた。
血に染まる鎧も、ほつれる緑髪も。血を浴びた悲しくも厳しい面立ちさえ美しい。
半ば呆然と見つめる将臣の前に、突然重衡と知盛が立ち塞がる。

「な...」
「そのまま動くな」

驚いて見上げた将臣の頭上に降り注ごうとしていたのは、敵が放った矢の一部。
それを驚くような剣技で防ぐ二人の動きもまるで舞のようだった。
言われたとおり動かない、というよりは動けないでいる将臣の上に再び矢が降り注ぐも、その全てが重衡と知盛──そして不可視の力で弾かれた。

「い、今のは...っ」

頭上で突然何かに当たったように弾かれた弓矢に将臣が目を丸くする。

「景時殿の結界術でしょう。先程渡された護符、あの力ですよ」
「あいつは武士のくせに、陰陽術などという小細工も使う型破り...だからな」
「ご安心を、重盛兄上。貴方は何よりも安全な場所にいる。我らと景時殿の力を前に、容易く突破できる敵などそうおりませぬ」
「お前は堂々と立っていろ...そう、重盛兄上らしく、な」

『君のところに敵は一兵たりとも近づけない』

重ねて甦る、景時の言葉。
それは紛れもない事実だったのだ。




何度も息を飲み、状況を追いかけることで必死の将臣の視線の先で、ついに鮮やかに翻る緑が、敵の大将を射止めた。
長いようで短い、あっという間の数時間。

将臣の初陣は、こうして終わりを告げたのだった。



>>

初陣なんで、将臣はヘタレですw
だって単なる現代の高校生ですからねー。どんだけ肝据わってる人間でも、いきなり生々しい戦争時代に武士として皆を導けって言われて適応出来ないでしょう、と(笑)
そこで適応できちゃったら逆にもうソレちょっと病気じゃね?みたいなねwww

終わり辺りが駆け足な印象でサーセン^q^

「君のところに敵兵は一兵たりとも近づけない。そこにいるだけでいい」

平家景時設定について煮詰めていた時の、まひろさんの下さった↑の言葉に萌えて、そのシーンを書こうと頑張ったんですが...どうにも空回りになった感が...。
まひろさん、申し訳ないです;;; ありがとうございました><

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なんとか人間。
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遙か3の景時と4の風早中心に、腐女子的に萌え萌え言ってる人のブログです。
腐女子以外にはあまり優しくない内容が多くなると思われますので苦手な方はご注意ください。

遙か中心ネオロマ特化SNS「遙紅花街」にも生息中。御存知の方はお気軽にお声掛けてくださいませ^^

なお、プロフ画像はシノさんから頂いた頼朝様と景時。可愛くてハァハァするんだぜ!^q^
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